診療科目
外科
最高の地域医療を目指して
●対象疾患 及び 特色
外科が対象としている臓器は、消化管(食道から肛門まで)、肝臓・胆嚢・膵臓、体表(皮膚、皮下、乳腺)、腹壁など、広範囲にわたります。これらの臓器の疾患のなかで、手術が必要となるものが主な守備範囲となります。また、手術後の経過観察や、手術はまだ必要でないが、必要となる可能性がある状態である場合も外科の診療対象です。
以下のような疾患の診療をおこなっています。
- 消化管の疾患:
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食道:逆流性食道炎、食道癌
胃:胃癌、胃潰瘍、胃炎
十二指腸:十二指腸潰瘍
小腸:腸閉塞、急性腸炎
大腸:大腸癌(結腸癌、直腸癌)、虫垂炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、
便秘症、過敏性腸症候群 肛門:痔核、痔瘻、直腸脱、肛門脱
- 肝臓・胆嚢・膵臓の疾患:
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肝臓:原発性肝癌、転移性肝癌
胆嚢:胆石症、胆嚢腺筋症、胆嚢炎、総胆管結石症、胆嚢癌
膵臓:膵癌、急性膵炎、慢性膵炎
- 体表の疾患:
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皮膚:粉瘤、外傷(切傷など)
皮下:脂肪腫
乳腺:乳癌、乳腺症、線維腺腫
- 腹壁の疾患:
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鼠径部:鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア
術後創部:腹壁瘢痕ヘルニア
幅広い疾患に対して豊富な経験を積んだスタッフが診療にあたっています。
●診療内容
主におこなっている手術は、胃癌、大腸癌、虫垂炎、痔核、胆石・胆嚢炎、粉瘤、脂肪腫、乳癌、鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなどです。腹腔鏡を用いた手術を積極的におこなっています。対象は、胃癌、大腸癌、虫垂炎、胆石・胆嚢炎、鼠径ヘルニアなどです。これらの疾患全例が腹腔鏡手術の対象となるわけではありませんが、精密検査の結果、対象となると判断された場合は、お勧めしています。
また、胆石・胆嚢炎や虫垂炎などでは、外見上、きずが見えなくなる「単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術」を導入しています。強い炎症をおこしていない方では、お勧めの手術法です。当科では、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と大腸内視鏡検査も担当しています。大腸内視鏡検査では、苦痛を軽減するために、鎮痛剤を使用しておこなっています。内視鏡的ポリープ切除術や内視鏡的止血術などの内視鏡治療も積極的におこなっています。内視鏡的ポリープ切除術を施行した場合は、切除後の経過をしっかりみるために1泊入院をしていただいています。しっかりとしたチームワークでスムーズな手術をおこなっています。
●診療科よりお知らせ
当院の使命は、地域の皆様のニーズに応えた地域医療を高いレベルで提供することであると考えています。上に挙げた胃癌、大腸癌、虫垂炎、痔核、胆石・胆嚢炎、鼠径ヘルニアなどは、決して一部の方だけに関係がある特殊な疾患ではなく、誰もがかかる可能性があるありふれた疾患(いわゆるcommon disease)です。このような疾患の治療が、ごく一部の専門病院でしかできないような状況になってしまうのは、適切でないと考えます。地域の方々にとっては、慣れた地元で一流のレベルの治療が受けられることが一番です。当科ではそれを実践していきます。しかし、世の中、ありふれた疾患ばかりではありません。臓器移植、再生医療などの高度先進医療が必要な疾患、治療が難しいまれな疾患、治療に多くのマンパワーを投入しなくてはならない疾患などがあります。これら、当科の守備範囲を越えた疾患については、日本医科大学附属病院をはじめとした専門施設にいつでも紹介する用意があります。さらに専門施設での治療を終えて、地元での療養が必要な場合には、当科で治療を引き継いでいくこともできます。当科の疾患に関係することで何か困ったことがあれば、ご相談ください。最善の方法をご一緒に考えていきます。